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書道のたのしみ

分野

漢字:漢詩、漢文を書きます。

  • かな:かなで和歌や俳句を書きます。
  • 調和体:漢字とかなを混ぜて、おもに現代の詩文を書きます。
  • 篆刻:書作品は印を押すことで完成しますが、印を彫ること自体も書道の一分野です。

漢字と仮名には異なる特徴があり、調和体は漢字寄りのスタイルまたは仮名寄りのスタイルで作成されます。

表現

作品はおもに以下の要素で成り立っています。

  • 構成:字体。文字の選択(かなの場合)。行数、文字のサイズ(各文字のサイズも含む)。
  • 墨色:単純な黒ではありません。墨には紫紺系や茶系など、微妙な色の違いがあります。
  • 墨の濃さ:濃墨、淡墨。淡墨は墨を磨った後、それを水で薄めてつくります。
  • の潤渇:墨をたっぷり使った潤筆、墨量が少なくかすれた渇筆、そしてこれらふたつの組み合わせと配置。潤渇により作品に立体感が生まれます。
  • 紙:用紙のサイズ、色。
  • 筆法:露法、蔵鋒、順筆、逆筆など。

題材

書道の作品には、通常、詩を書きます。
古来、中国・日本には多くの詩人がいますが、ChatGPTが選んだ5人の中国の詩人は次のとおりです:李白、杜甫、王維、白居易、蘇軾。

漢字の書道では、中国の漢詩がよく選ばれます。日本人による漢詩を書くこともできます。

かな書道では、和歌がよく選ばれます。百人一首のほか、万葉集、古今和歌集などに題材を求めます。俳句も書かれます。

現代の日本の詩は調和体の題材になります。

用具

書道には、以下の道具と材料が使われます。

墨を準備する

硯の上で墨を磨ります。

硯の表面は一見滑らかに見えるかもしれませんが、実際には鋒鋩とよばれる微細な突起があります。

端渓(中国・広東省)などの高品質の鉱脈から採取した硯は非常に高価ですが、表面は赤ちゃんの頬のようと形容され、粒子の細かい良質の墨が磨れます。

墨は煤煙を膠と混ぜて作ります。植物油を用いる油煙墨と、松を用いる松煙墨があります。

軟水が磨るのに適しています。硬水ではよい墨は磨れません。

また、墨液(墨汁)を利用したり、墨磨機で効率よく墨を磨ることもできます。特に大きな作品を書く際には便利です。

筆を選ぶ

さまざまな太さ、穂の長さの筆があります。

筆の毛の材質もさまざまです:馬毛、兎毛、狸毛、羊毛(実際には山羊)、コリンスキーなど。書道に上達すると、柔軟性のある羊毛の筆を選ぶ人が多いです。

紙を選ぶ

書道には和紙が使われます。和紙は雁皮や、楮、三椏、竹などの植物の繊維から作られます。紙を漉いた際、繊維の間には隙間が残りますが、ここに墨が入り込むことにより、墨が滲む現象が生まれます。紙の厚さや滲み具合はさまざまです。

かなでは大きく滲む表現は用いません。ドーサ加工を施し、繊維の隙間を埋めます。この加工の強弱もさまざまです。

文の向き

横一行の作品も、書道では、通常右から左に書きます。各列が一字でできた縦書きと考えると、納得していただけるでしょう。

稽古

書道を習うには、古典を臨書することが非常に効果的だと言われています。特に、王羲之は書聖と称され、すべての基本です。

王羲之『蘭亭序』

北魏時代に磨崖仏とともに刻された碑文は、北魏の楷書と呼ばれ、厳格ななかにもユーモラスな一面もある書体はよく臨書されます。

唐代の初期には欧陽詢、虞世南、褚遂良があらわれました。

孫過庭、顔真卿、懐素、米芾など多くの大家がいます。

日本では空海、藤原佐理など、三筆・三蹟が有名です。

かなの古筆では、作者が仮託されていても、本当の作者は不明の場合がほとんどです。本や巻子は、茶道の影響などから断簡として存在することが多く、それを「切れ」と呼んでいます。

高野切は最も美しい仮名の古筆とされています。その他の例には関戸本古今集や寸松庵色紙があります。

高野切

書体

漢字には5つの書体があります。

  • 篆書
  • 隷書
  • 草書
  • 行書
  • 楷書

歴史的には、楷書が最後に成立した書体です。

行書と草書を織り交ぜて書く行草は人気のスタイルです。

仮名は、遣唐使が廃止され、国風文化が盛んになる中、草書をもとに成立しました。明治維新後、一音一文字となりましたが、以前はもっと多くの仮名が使われていました。そうした仮名は、現在、変体がなと呼ばれ、かな書道でよく用います。

展覧会

毎年多くの展覧会とコンテストが開催されていますが、中でも日展は最高ランクと見なされています。日展は11月に東京で開催され、その後数カ所を巡回します。全国各地の書家からの応募のうち、展示に選ばれるのは10%程度です。